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- 初めての綿への思い
身体が丈夫ではなく食も細く、よく扁桃腺を腫らせて高熱を出したりしていた幼少期に、田舎へ行くと、小さいながらも、
澄んだ空気と、水や食べ物の美味しさに感動したものでした。
そんな事もあってか、田舎にいる時だけは元気な子供になれたものでしたが、この経験が私の現在の原点とものなってい
ます。
祖母は針の仕事がとても好きで、家族みんなの浴衣を縫ったり、長年着古したものでもお洒落に繕って更に新しい
姿へと変化させ、また長持ちさせたものでした。
綿や麻の素材というものは、時が経てば経つほどに肌触りが良く、柔らかく、温かい風合いへと変化していきます。
それは上質な素材であれば、あるほどに。
祖母の縫ってくれた浴衣に、初めて袖を通した時のパリっとした感触が、何度も洗濯をして着込んでいく内に肌に馴染み、
安心感さえも与えてくれる。そんな変化をする綿の布に興味を持ち始めたのでした。
時は経ち、自由に物を買えるようになってからも、自然と風合いが変化する麻や綿素材を求めるようになっていきました。
その結果、知らず知らずのうちに、身の回りには心地良いもので溢れ、安らぎを得られるようになりました。
特に肌触りの良い物には敏感で、手に取るものは不思議と同じ素材が多くなり、パジャマやタオル、ベッドカバーや
テーブルクロス、スカート等大半がコットン素材である事に気付くのでした。
そこで、ひと際肌触りの良いものが、インド綿であったのです。
そこから、私のインド綿、いやインドの布全般に対しての興味が湧いていったのでした・・・